前向きニュース (2015年5月17日)


『歯車』

最終回、4点取って3点差まで追い上げたが、試合終了。
あとちょっと、噛み合い損ねた歯車の画像が頭に浮かんだ。
あそこで悪送球がなかったら、あそこでアウトカウントを勘違いしなければ、ホームランが前の打席だったら。
たくさんの「たられば」が頭をよぎる。
たらればを悔やんでも仕方ないことはわかっているが、「たられば」を考えられるほどに成長したとも言える。

コウタは以前より球が速くなったと感じた。
コウタのエラーやコウタの三振がこのチームの勝敗に大きく影響してしまうのは相変わらずだが、エラーやミスで落ち込んでも、落ち込んだなりにちゃんとまとめられるようになって来た。
7点差でもまだいける気がしたのはコウタを中心とした6年生の成長の証だろう。

タイチはピッチャー交代を淡々と受け入れられるようになった。
キャッチャーになってもちゃんと声だして、キャッチャーの役割を果たそうとする姿は成長を感じるし、三振してもエラーしても以前のような悔しがり方をせずに次に切り替える姿に頼もしさを感じる。

リンダイは責任感が出て来たように思う。6年生としての自分の役割や場面場面での状況判断しようという姿勢が以前と違っている。
前は自分のことしか見えないような態度だったが、今はチームのことを考えたり、相手のことを思ったりする姿勢を感じる。

ハルトは以前に比べれば、集中力が出て来たと思う。
2塁ランナーを牽制する動き、監督のサインを見る動き、フライを捕った後にランナーを気にする動き(もう3アウトだったけど)、考えて動くようになっている。

マオは女の子だから成長が早い。
他の男の子選手より、明らかに大人な感じで冷静に動いている。
以前ほどマオの声が目立たないような気がするが、それは他の男の子選手に「あんた達ちゃんとしなさい」と言っているようで、それはそれで内野を締めている。
速い球にも負けなくなっているのが益々頼もしい。

ユウダイは3塁後方のフライを追いかけなかったことを悔やんだか、ベンチに戻って来た時に泣き顔だった。
以前なら試合中にうつむいていただろうし、泣いたままふさぎこんでいただろうが、今日は違った。
すぐに自分で消化して、試合に臨んでいた。
強くなってきた。

ユウマが2本ヒットを打った。もし勝っていたらラッキーボーイとなっていただろう。
ユウマはラッキーボーイの素養がある。
頑張っているけど、イマイチ期待できないし、時々しょーもないミスをするが、意外なヒットを打ったりする。
日頃の努力や、素直さだったり、前向きさだったり、そういう姿勢がラッキーを掴む。

ケイスケはちゃんと試合に参加できるようになっている。
以前のように心ここにあらずということは無くなっているし、打席でも守備でも、期待を持たせる。
4年生でAチームのレギュラーとして参加しているのは大変なこと。この経験が来年にも再来年にも生きると思うと楽しみだ。

強めの3塁ゴロをうまくさばいて、「ファールだろう」と言わんばかりに塁審を見るセイダイの態度に頼もしさを感じた。
野球がだんだんわかってきたから、ふてぶてしさが頼もしさに見えてきた。以前よりも人の話を聞くようになっているし、やはり4年でレギュラーの経験は、先々楽しみだ。

ベンチのメンバーも頼もしくなってきた。
まだまだ怒られることも多いが、コーチャーやバット引き、応援など何をしなければならないかはわかってきている。
キャッチボールだって、以前とは比べものにならないくらいちゃんとできるようになってきたし、久しぶりに参加した竹内コーチが上手くなったと褒めていた。もっと練習して、状況判断できるようになってレギュラーを脅かしてほしい。

惜しいとも言えるし、このくらいとも言えるような内容だったが、勝てる試合だったと皆が感じた。
体力はついてきた。
何をしなきゃいけないかはわかってきた。
どうすればいいかもわかってきた。
後は、アウトカウントとランナーの状況をいつも考えるという基本と絶対勝つという気迫を出せれば歯車が噛み合っていくと思う。

大きな歯車になるにはもっと練習して技術を磨かなければいけないけど、今日のような試合は歯車さえ合えば勝てる。
そのもう少しを合わせられるように、練習して、声だして、頭使って、経験を積んで、歯車が合いだすともっともっと楽しくなるから。

単なる輪がそれぞれに回っていたチームが歯車になってきた。

今シーズンはまだまだ続く。
楽しみ、楽しみ。

池谷