前向きニュース (2011年11月3日)


『吸収力と集中力』

4回の裏、マサトがこの試合6個目の三振を奪い、3者凡退で締めたとき、球審が小さなジェスチャーで「整列」と言った。
あまりに小さなジェスチャーだったので一瞬疑ったが、相手チームがベンチから出てきたことで確信した。

「終わった~」
小さくため息をついた。
すぐ後ろの応援席でお母さん方が喜んでいる。
でも、ベンチいるコーチ達も含め喜んで握手するというようなこともなかった。

やっと終わった、という緊張からの解放感、安堵感の方が強かった。
それほど緊迫した試合だった。

終わってみればマサトはノーヒットノーラン、死球1つ。
素晴らしいピッチングだった。

エラーで出したランナーが3塁まで行った場面、2塁にランナーを背負った場面、いずれもしっかりした守備で切り抜けた。

マサトのピッチングに負けないくらい相手のピッチャーも良かった。
何度かチャンスはあったが、要所要所で三振を取られ、こちらは12のアウトのうち三振が8つ。
抑えられたという感じだった。
初回に2点取れたのがラッキーだった。

味方がエラーをしようが、大人ほどの背丈の4番が打席に立とうが、いつものように表情も変えずに黙々とマウンドで球を投げ続けるマサトは職人のようだ。
以前は多少上気して乱れることもあったが、それもなくなり、頼もしさを増している。
今日の2つのピッチャーゴロも確実にさばいて、課題のフィールディングも良くなってきた。

こちらが取った今日のアウトのうち6つは三振、1つは牽制アウト、2つはピッチャーゴロ、そして残りの3つはショートゴロとショートフライだった。
ショートのリョータローは、前の試合送球が悪かったことを課題として試合に臨んだ。
その課題をしっかり意識して、今日は守備が良かった。

トモヤには試合前、「1-2塁間で挟んだら、すぐに2塁に投げろ」と何度も練習していてうまくいかないプレーを確認した。
そして、初回、エラーで出たランナーを牽制で誘い出し、1-2塁間で挟む。
言われた通りにすぐに送球してアウト。
このプレーは大きかった。
言われたことをすぐに実行できるのは、成長の証だ。

リュウセイには守備のときの構えが大きすぎると言うとすぐに修正して、いい構えをしていた。

リードが大きすぎるから注意しろと言ったタイキは、ちゃんと注意して、初回の貴重なヒットを最初の得点に繋げた。
いい1番打者になってきている。

マスクを外したときにマスクをいつまでを手に持っているクセを何度か注意したケンタは、ようやくマスクを放り投げるようになった。
バットを投げるクセも直して、こちらも安心した。
本家コーチに教わって、キャッチングも少し良くなった。
日々成長を感じるのが嬉しい。

顔つきがいいからと4番を任せたハルトは、ヒットは打てなかったが、堂々たる空振りで三振してきた。
まずはそれでよし。
この悔しさを次の試合にぶつけてほしい。

タカノは守備の構えがまた良くなった。
外野は絶対後ろに逸らすなというという指示を絶対に守るぞという気迫を感じる構えになった。

ケンスケは、球の速いピッチャーを何とか攻略しようと、バントの構えで揺さぶるというプレーをしていた。
いろんな小細工ができるイヤラしいプレヤーになるといいな。

今日は出場はなかったけれど、タイセイは、声が出ていなかったと反省会で言っていた。
以前なら、あの場面でこれがうまくいかなかったというようなことしか言えなかったが、こんな反省もできるようになったんだな。

ユウスケは、指示されなくても動ける幅が広がった。
コーチャーとして何をしなきゃいけないかがわかってきたので、安心して任せられる。

ヒッシーはバット引き、ボールボーイを一生懸命やっていた。
コーチに注意されなくてもタイミング良く動けるようになってきた。
動きがわかってきている。

シバは、キャッチャーの支度が間に合わないときに投球練習を受ける役を積極的にやっていた。

いつの間にか、控えのメンバーも何か指示しなくても皆がちゃんと動けるようになってきた。

そんなベンチも含めた動きのよさが今日の勝因だ。
それは集中力が切れなかったことに繋がる。
ベンチの選手も含め、皆が試合に集中していた。
これが相手に優った点だったと思う。

前戦、15-2で大勝の後にこの厳しい試合。
良い流れだ。
今は試合ごとに成長していける時期だ。
今日のように課題を次々に吸収していって、もっと良い試合をしていこう。

池谷