前向きニュース (2011年2月26日)


『新谷投手がやって来た!』

「まだ、時間前だけど、ノックやろうかな」
体格の良い、色黒のおじさんがこちらに近づいてきた。
トレーニングウエアの上着を脱ぐと背中に「SHINTANI」

前野地区4チームの選手が集まる前野小のグランドに”颯爽”というより、ひょっこり現われた感じだった。
ノックバットを渡そうとすると、「ノックバットで軟球打つのは難しいんだ」と言うので、古い木のバットを渡すとそれを受け取り、本番前のノックが始まった。

選手達は、「この人は誰だろう?」と思いつつも、上着が「日本ハムファイターズ」であることは気づいていたかも知れない。
そんな気さくな感じで野球教室の前フリがスタートした。

2月26日(土)10:00、竹内監督がHPを通じて申し込んだことから実現した野球教室がスタートした。
株式会社ベルクハウスのご好意で、同社社長のご縁もある元プロ野球西武ライオンズの新谷投手と大友選手が直接指導してくれるという貴重な機会だ。

やはり引退したとは言え元プロ選手のユニフォーム姿はかっこいい。
新谷さんは日本ハムの、大友さんは西武のユニフォーム姿だ。
「新谷さんは何で西武じゃないんだろう?」
そんな疑問を抱いたので、タイミングを見て、近づいて話かけてみた。

「どのユニフォームを着るかってどうやって決めるんですか?」
「着るときは球団に許可もらうんですか?」
こんな質問に新谷さんは気さくに答えてくれた。

「いい人だ!」
そんな風に気さくに答えてもらって単純に嬉しかった。

主催者であるベルクハウスの社長もみえていた。
ニコニコした若い社長である。
「どういうきっかけでこういうこと始めたんだろう?」
また聞いてみたくなったので、近づいて話しかけてみた。

「社長も野球やってたんですか?」
「新谷さんとはどういう縁なんですか?」
こんな質問に社長もまた気さくに答えてくれた。

「いい人だ!」
またまた、嬉しくなってしまった。

そんな雰囲気の野球教室だから、親しげな感じで、新谷さんも大友さんも、子供達一人一人に丁寧に教えてくれた。

コーチをやっていても、経験がないせいもあって、投手に対する指導は難しい。
新谷さんが、指導するのをジーっと聞いていた。

「投手はお山の大将でいい。仲間がエラーしたら、俺が次にアウト取ってやるから気にするな、という態度でマウンドに立て。」
「投手は100の力を100のまま如何に出せるかが大事。」
「自分は100を98くらいで出せるからプロに行けた」
「右投手は、投げる直前までどれだけ3塁を向いていられるか」
「軸足を最後まで離さないように我慢して、蹴る」
「前の足を上げて降ろすんじゃなくて、地面をするように前に踏み出す」
「体の中心から外側で仰け反るように身体を使う」
「腕を最後まで振り切って身体に巻きつくように」

1つ1つの指導が、「なるほど!」と思わせる的確なもので聞き入ってしまった。
自分もピッチャーやりたくなった。

子供達一人一人のフォームを見てくれて、アドバイスしてくれて、子供達も真剣そのもの。
いい時間だった。

3時間の野球教室を終えて、みんなで記念写真撮って、解散。

片付けて、帰りがけ、休憩を終えて帰り支度の新谷さんとまた会った。
クルマに乗ろうとした社長に新谷さんが話しかけていた。
「今日のチームはみんなマナーがいいね、こんなのあまり見たことないね」
そこにいた僕は思わず、
「ありがとうございました!」

そんなふうに褒めてくれて、また嬉しかった。
やっぱり「いい人たちだ。」

楽しくてためになる時間だった。

池谷